オカンが住んでいた実家は、山の中腹にあります。
さほど高い山ではないのですが、夏になると汗を垂らしながら坂道を歩いて帰らないといけません。
年を取るにつれ、厳しい道のりにはなります。
よくテレビなどで報道されている買い物難民とまではいかないまでも、スーパーまでは下りで20分ほどはかかります。
元気な頃は、
「運動や。運動。」がオカンの口癖で、リュックを背負いながら買い物にいっておりました。
なんというのか知りませんが、よくおばあちゃんがコロコロ押しているショッピングカート?を買ったのですが、どうも気に食わなかったらしい。
年寄りくさい…らしい。
充分年寄りや。
年寄りのささやかなる抵抗。結局愛車を転がすことは一度も見ませんでした。
「あの坂道を上り下りするから足腰も丈夫やしボケんでおれるんやで」
会う人に自慢気に話しておりましたわ。
ただ、足腰を鍛えることができていたスーパーが5年ほど前に閉店になってしまったのです。
そのため、更に遠いところにあるスーパーに行かなければならないようになりました。
さすがに遠い方のスーパーに行ける回数は減ってきたのですが、たまたまその頃、下りで、歩いて15分ほどのところにコンビニが出来たので、なんとか最低限のものはコンビニで済ますことができるようになりました。
それから、約2年後に近い方にあったスーパーが別の会社で復活してくれました。
今から約3年前になりますが、オカンの頭の中では、閉店になったことと、新しく開店したことが交差しておりました。
だいたい買い物に行く頻度は1週間に1回、そのスーパーに行く程度になりました。
おそらくコンビニも週2回程度かと思います。
コンビニの同じポイントカードが3枚と、おでんの空き容器が捨ててあるのを見たときは、なんとも言えん感情がこみ上げたのでした。
そんな自慢の足腰も確かに去年の春、入院するまではなんら問題もなく歩いていたのは確かです。
2週間ほど入院した途端に歩くことが出来ないようになり車椅子生活が始まりました。
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